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宇梶静江展 古布絵で描くアイヌの叙事詩
平成25年11月14日(木)―平成26年1月26日(日)
主催:八ヶ岳美術館(原村歴史民俗資料館)、原村、原村教育委員会
アイヌに生まれ、アイヌ解放運動に半生をささげてきた宇梶静江さんは、60歳を過ぎてからアイヌ刺繍を学び直し「古布絵」という独自の表現を編みだしました。初めて制作した古布絵はアイヌの守り神である「シマフクロウ」―。以来、アイヌの豊かな文化を伝えたいと、一針一針に願いを込めて制作を続けています。
本展では、絵本の原画となった「シマフクロウとサケ」「トーキナ・ト」「セミ神さまのお告げ」の3作品を中心に、宇梶さんが描くアイヌのウエペケレ(昔話)とカムイユカラ(神謡)の世界をご紹介します。
流れるようなアイヌ刺繍のリズムにのせて力強く表現された作品群を通して、自然を崇め、争いを好まなかったアイヌの人々の世界観に触れることは、現在の私たちに生きていくための大きなヒントをもたらしてくれることでしょう。縄文文化にもつながるアイヌの素晴らしい文化に触れる機会となるよう願います。
【作 家 プ ロ フィ ー ル】
宇梶静江(うかじ しずえ)
1933年北海道浦河郡生まれ。詩人・古布絵作家・絵本作家・アイヌ解放運動家。アイヌの家庭に生まれ、差別と貧困から抜け出すため20歳で上京。働きながら苦学をし、結婚後は上京してきたウタリ(同胞)たちを支援しながら2児を育てる。1972年、朝日新聞に「ウタリたちよ、手をつなごう」を投稿し、大きな反響を呼ぶ。翌年東京ウタリ会を結成し、アイヌ権利獲得のための活動を始める。1996年アイヌ刺繍を勉強し直し、和服地を用いて伝統刺繍でアイヌの精神世界を表現する「古布絵」を始め、海外からも高い評価を得て各地で作品展を開く。2004年アイヌ文化奨励賞を受賞。著書に『シマフクロウとサケ』『セミ神さまのお告げ』『トーキナ・ト』(いずれも福音館書店)『すべてを明日の糧として〜今こそアイヌの知恵と勇気を』(清流出版)など多数。2011年吉川英治文化賞受賞。
【関 連 イ ベ ン ト】
■アイヌ刺繍のワークショップ
11月23日(土)13:00〜
アイヌの伝統的な刺繍には、様々な祈りや意味が込められています。アイヌ刺繍の形と意味を教えていただきながら、実際にアイヌ刺繍をしてみましょう。大きめのコースター1枚を制作し、お持ち帰りいただけます。
講師:宇梶良子さん
材料費:1,000円(入館料が別途必要です)※要予約
■アイヌの歌と踊りのワークショップ
11月30日(土)14:00〜
「ウポポ」と呼ばれるアイヌ伝統の歌は、アイヌの祭りに欠かせないものです。歌と踊りを通して、アイヌの世界観や祈りについて教えていただきます。アイヌ文化を体感してみましょう。
講師:島田あけみさん、宇佐照代さん、石川恵美さん
参加費:無料(入館料が別途必要です)
参加お申込み・お問い合わせ
八ヶ岳美術館(0266-74-2701)
※本ワークショップは公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構の「アイヌ文化活動アドバイザー派遣事業」活用事業です
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