1957(昭和32)年に公布された国土開発縦貫自動車道建設法によって、中央自動車道西宮線が長野県内を約122kmにも渡って横切ることとなりました。この建設予定地に含まれる埋蔵文化財包蔵地は195にものぼりました。
原村ではとくに阿久遺跡、居沢尾根遺跡、大石遺跡の3つの大規模遺跡が中央道建設予定地にかかり、1975(昭和50)年から翌年にかけて長野県教育委員会によって緊急発掘調査が進められました。特に阿久遺跡では、立石と列石を中心とした環状集石群と呼ばれる祭祀場の跡が姿を見せ、大変貴重な遺構だったことから保存運動が展開され、埋め戻し保存をした上に中央道が建設されることとなりました。このため阿久遺跡は国史跡の中でも中央道が上を走るという他に例を見ない史跡となっています。
これらの遺跡から出土した埋蔵文化財は2012(平成24)年、出土した各地域で展示活用するために、長野県から各市町村へと移管されました。これを記念して、晴れて原村の文化財となった土器を皆様にお披露目し、当時の発掘作業の様子とあわせて初めてご紹介します。阿久、大石、居沢尾根の3つの遺跡出土品によって、縄文時代前期から中期にかけての様々な時代の土器の造形の変遷をお楽しみいただけます。
【関 連 イ ベ ン ト】
1.講演会:聴講無料・入館料別途
@スライドとお話「回想・阿久、大石、居沢尾根の発掘現場」
平出一治氏(居沢尾根、阿久両遺跡の発掘に携わる)
岩崎孝治氏(大石、阿久両遺跡の発掘に携わる)
日時:1月25日(日)13:30〜
A「大石遺跡の文様論」
小林公明氏(元 井戸尻考古館館長)
日時:2月21日(土)13:30〜
B「縄文時代の豆栽培 〜レプリカ法による土器種実圧痕の研究の成果〜」
会田進氏(前 長野県考古学会会長)
日時:3月7日(土)13:30〜
C「八ヶ岳山麓の縄文人のくらし」
鵜飼幸雄氏(前 尖石縄文考古館館長)
日時:3月15日(日)13:30〜
2.イベント:いずれも要申込みです
参加お申込み・お問い合わせ
八ヶ岳美術館(0266-74-2701)
■切り絵教室
八ヶ岳山麓の縄文風景と、顔面付釣手土器を人気切り絵作家・日達れんげ先生の図案で制作します(風景と土器のいずれかをお選びください)。
日時:1月31日(土)13:30〜(2時間程度)
参加費:1,800円〜(材料費・入館料含む)
■切り絵プリントで顔面付釣手土器グッズづくり
顔面付釣手土器を日達れんげ先生が図案化。切り絵を布にプリントしてグッズをつくります。
日時:3月8日(日)13:30〜(2時間程度)
参加費:1,800円〜(材料費・入館料含む)
■勾玉ペンダントづくり (講師:原村教育委員会文化財係)
蝋石を使って古代の人の装飾具・勾玉のペンダントを作ります。
材料費:400円(入館料別途)
日時:1月24日(土)13:30〜(2時間程度)
■粘土で土器型ブローチ・マグネットづくり
美術館で展示中の土器をじっくり観察して、粘土で土器型のブローチやマグネットを作ります。
材料費:300円(入館料別途)
日時:2月7日(土)、3月1日(日)13:30〜 (2時間程度)
■縄文ペーパーウェイトづくり
石に縄文土器の文様をペイントしてペーパーウェイト(文鎮)を作ります。
参加費:無料(入館料別途)
日時:2月15日(日)、3月21日(土)13:30〜(2時間程度)