八ヶ岳美術館ではこのたび、「八ヶ岳美術館全国公募展 第7回あなたが選ぶ信州の裂織展」を開催いたします。
原村では古くから機織りが盛んに行われてきました。厳しい生活を生き抜くため、ぼろ布ひとつを大切にと生み出された裂織は「ぼろ機織り」の名称で親しまれ、今なおその技が大切に継承されて
います。地域を代表する文化のひとつであるこの裂織は、近年で
は全国的に隆盛を見せ、高い芸術性を持ったアート作品としても
注目されるようになってきました。
2006 年に始まった裂織公募展も、隔年開催を続けて今年で7 回目
を迎えました。入館者の投票によって決定する大賞と、芸術性・
技術・伝統性など総合的多角的な視点で審査する審査員特別賞を
設け、現代における裂織作品の価値と意義を評価しようとしてい
ます。今年も全国から集まった素晴らしい裂織作品をお楽しみく
ださい。
同時開催として、「野中ひろみ作品展 〜森に住みながら〜」を開催いたします。
伊那市出身の野中ひろみは京都成安造形短期大学でテキスタイルデザインを学んだのち、桐生織、多摩織の伝統工芸士に師事し
て絹織物の技術を習得。1985 年に工房「織音舎」を設立し、裂織に綴れ織の技法を用いた「つづれ裂織」で芸術作品としての
裂織を追求してきました。裂織作家の第一人者として活躍しながら、原村に移住後は信州さきおりの会の代表として、長年裂織
の普及活動にも注力して来ました。
本展では野中ひろみの近作を中心に約20 点を展示いたします。古布のまとう過去を織り込み、信州の豊かな自然から受けた心
象を綴った作品の数々を、この機会にどうぞご覧ください。
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